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文明開化と西洋菓子
日本にスィーツすなわち洋菓子類が伝播したのは、文明開化の明治時代です。交易相手国のイギリス・オランダ・ポルトガル・スペインなどから持ち込まれた洋菓子類は、当時の日本人を驚愕させ、魅了するに十分な食べ物でした。
日本にも昔から「和菓子」というものがありましたが、西洋から伝わった初めて味わう菓子類は、その甘美な食感が、当時の日本人にはおそらく夢の世界の食べ物と感じられたことでしょう。
ただし、当時の庶民にとって、洋菓子は高級な手の届かない食べ物であり、一般市民がスィーツを口にする機会などほとんどあり得ませんでした。まさに夢のお菓子だったわけです。
一億総グルメから「スィーツ大国」へ
そういう時代は長く続き、庶民が普通にスィーツを食べるようになったのは戦後に入ってからです。それでも昭和30年代までは洋菓子というとスポンジケーキやカステラ、チョコレート程度で、せいぜい誕生日などのお祝い事に出されるイチゴが乗ったショート(ニング)ケーキが最大の贅沢という時代で、現代のスィーツ全盛期から見ると隔世の感があります。
やはり、芸術と同様に菓子類の発達というものは、人々の豊かな生活という基盤の上に成り立っている、といえるでしょう。これは日本だけでなく諸外国にも当てはまる現象のようです。
高度成長期を経て、時代は平成に入り、日本は「一億総グルメ」の時代になったともいわれ、それを背景に今や世界に冠たる「スィーツ大国」となり、その勢いは本家・フランスに迫る勢いだともいわれています。